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Q&A お医者さんに聞いてみましょう「睡眠障害の受診・診断・治療」について TOPページに戻る
監修:太田龍朗先生(名古屋大学名誉教授、愛知淑徳大学教授、北林病院名誉院長)

1.受診の前に
Q1 何科にかかれば診てもらえますか?
Q2 不眠の状態を整理しておきましょう。
Q3 身体の状態もチェックしておくと良いです。

2.睡眠障害の診断
Q4 どんなことを聞かれるの?
Q5 どんな検査をされるの?

3.睡眠障害の治療
Q6 睡眠障害に対する治療の考え方、治療方針について
Q7 睡眠薬にはどんな種類がありますか? また、それらはどう使い分けるの?
Q8 睡眠薬服用時にはどんな点に注意が必要ですか?
Q9 睡眠薬はやめられなくなりませんか?
Q10 睡眠薬を飲むとボケませんか?
Q11 癖になって、だんだん量を増やさないときかなくなることはありませんか?
Q12 睡眠薬をじょうずにやめるためのコツは?
Q13 睡眠薬にはどんな副作用がありますか?



1.受診の前に
Q1 何科にかかれば診てもらえますか?
A1 ある程度規模の大きい病院に行かれる場合は、専門の診療科として精神科、精神神経科、心療内科などがありますので、そちらを受診するとよいでしょう。もし、近くにメンタルクリニックやかかりつけの医院があれば、相談するのも一つの方法です。生活のアドバイスを受けたり、必要に応じて睡眠薬を処方してもらえます。ただし、なかなか症状が改善しない場合には、専門医のいる病院を紹介してもらうようにしましょう。
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Q2 不眠の状態を整理しておきましょう。 
A2 不眠症の診断では、「いつ頃から眠れなくなったのか?」、「その心当たりになる原因はあるか?」、「眠るまでにどのくらいの時間がかかるか?」、「不眠以外に何か別の症状はないか?」−などの問診が行われます。
ですから受診前には、ご自身の不眠状態をあらかじめメモに整理するなどして、診察時にスムーズに応対できるようにしておくとよいでしょう。
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医療機関を受診する際に役立つ
「快眠チェック票」「快眠日誌」がダウンロードできます。
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Q3 身体の状態もチェックしておくと良いです。
A3 睡眠障害を訴える患者さんの中には、寝不足からくる不眠のほかに、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群などの病気がかくれていることがあります。 寝ている間に、自分では気づかない症状が現れていることもありますので、家族や周りの方にも協力してもらって、症状を正確に主治医に伝えることが大切です。
例:いびき、呼吸が止まっている、脚をピクピクさせている、元気がない、など。
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2.睡眠障害の診断
Q3 どんなことが聞かれるの?
A4 睡眠の状況や生活習慣を中心に、主に次のような問診が行われます。

■不眠の状況を探ります
・いつ頃から眠れなくなりましたか?
・その心当たりになる原因はありますか?
・眠るまでにどのくらいの時間がかかりますか?
・不眠以外に何か別の症状はありますか?

■不眠のタイプを探ります
・ 寝つくまでに時間がかかりますか?
・ 夜中にトイレなどで、何度も目が覚めますか?その後すぐに眠れますか?
・ 朝、やたらに早く目が覚めますか?
・ よく眠ったという熟睡感がありますか?

■不眠の原因を探ります −5つのP
身体的要因
(Physical)
・腫瘍、心疾患、消化器疾患、発熱などがありませんか?
生理学的要因
(Physiological)
・時差ボケ、交代勤務、昼夜逆転などがありませんか?
心理学的要因
(Psychological)
・精神的ショック、ストレス、生活上の不安などがありませんか?
精神医学的要因
(Psychiatric)
・総合失調症、気分の落ち込み、不安性障害、アルコール依存症などがありませんか?
薬理学的要因
(Pharmacological)
・飲酒、喫煙、カフェインなどの摂取状況は?
・現在、何かお薬を飲んでいますか?
 薬局やコンビニで買う薬、サプリメントも。

■その他
・日中に何か運動をしていますか?
・家に閉じこもってばかりいませんか?
・いびきを家族に指摘されたりしませんか?
・呼吸が止まっていると家族に指摘されたりしませんか?
・脚をピクピクさせることはありませんか?
・最近、元気がなくはありませんか?
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Q5 どんな検査をされるの?
A5 大半の場合は、生活習慣や睡眠の状況の十分な問診によって診断することができます。診断がはっきりしない場合には、補助診断として睡眠中の脳波や心電図、筋肉と眼球運動を同時に記録する睡眠ポリグラフィという検査を行うことがあります。ただし、この検査には特殊な機器が必要ですので、検査を行える施設は専門の診療科を設けている施設に限られています。痛みは全くありませんが、一泊が必要です。
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3.睡眠障害の治療
Q6 睡眠障害に対する治療の考え方、治療方針について。
A6 まず最初に、生活習慣をみなおしていただき、適正な睡眠リズムを保つ、寝室環境を整える、嗜好品に注意をはらう、無理に眠ろうとしないなど、生活指導(睡眠衛生)を行います。それで改善しない場合には、薬物療法や非薬物療法を行います。





(1) 不眠を引き起こしている精神的ストレスや、不眠に関する過度の不安を取り上げ、それらを軽減することによって不眠症状を改善する治療法。
(2) 少しでも長時間眠ろうと思い、必要以上に長時間寝床で過ごしている患者さんに対しては、就床時間と身体の要求する睡眠時間との差を減少させることにより、不眠症状を改善させる治療法。
(3) 自己暗示、注意の集中を段階的に行い、全身の緊張を解き、良好な入眠を促進する方法。
(1)精神療法(2)睡眠制限療法(3)自律訓練法といいます。
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Q7 睡眠薬にはどんな種類がありますか? また、それらはどう使い分けるの?
A7 現在、睡眠薬としてはベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系のお薬がよく使用されています。以前は、バルビツール酸系、非バルビツール酸系の睡眠薬が使われていましたが、現在では、これらは手術前の麻酔など、特殊な場合を除いてほどんど使用されていません。
睡眠薬は、作用時間の長さによって、【1】超短時間作用型(即効きはじめて2〜4時間で効果がなくなる)、【2】短時間作用型(6〜12時間効き目が持続する)、【3】中間作用型(12〜24時間効き目が持続する)、【4】長時間作用型(24時間以上効き続ける)−などがあります。これらは、「眠れない」タイプによって使い分けられ、寝つきが悪いタイプには、超短時間作用型か短時間作用型の睡眠薬を用いるのが一般的です。また、夜中に目が覚めたり、朝、異常に早く目が覚める人には中間作用型や長時間作用型の睡眠薬が使われます。

■主な睡眠薬の種類
  分類
非ベンゾジアゼピン系
(耐性や依存症を生じにくい安全な薬剤であるベンゾジアゼビン系薬剤に
比べ、更に自然な睡眠を誘導する薬剤として開発された )
超短時間型
ベンゾジアゼピン系
(耐性や依存症を生じにくい安全な薬剤)
超短時間型
短時間型
中間型
長時間型
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Q8 睡眠薬服用時にはどんな点に注意が必要ですか?
A8 ■いっしょに服用してはいけない薬剤はありますか?
特に高齢者や基礎疾患(高血圧、糖尿病など)を持っている方は、複数のお薬を服用していることが多いので注意が必要です。具体的には、マクロライド系の抗菌薬、降圧薬の中ではカルシウム拮抗薬、胃潰瘍の治療で用いられるシメチジンというH2ブロッカーなどは、一緒に服薬すると睡眠薬の分解が遅れるなどして、作用が強く現れることがわかっています。医師、薬剤師にご確認ください。

■気をつけなければいけない食品はありますか?

サプリメントでは、メラトニンがあります。アメリカなどでは健康食品としてスーパーで売られたりしています。しかし、日本では安全性や副作用、適切な分量などが確認されていないため、認可されていません。あくまで、個人の責任において、個人輸入でしか手に入れられないので、他人に転売すると罪に問われます。専門家が治療のために、輸入して処方することがあります。
更にセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)やセイヨウカノコソウ(バレリアン)を主成分とするハーブ系のサプリメント使用についても、医師に相談しましょう。
また、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートのほか、一部の清涼飲料や健康飲料にはカフェインが含まれています。カフェインは覚醒作用とともに、利尿作用も有しているので、摂取する時間帯などに配慮が必要でしょう。


■お酒を飲んでもかまいませんか?
睡眠薬とアルコールを一緒に飲むと、互いの作用が強く現われてしまうことがわかっています。ですから、睡眠薬を飲んでいるときには、絶対に寝酒を飲んではいけません。
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Q9 睡眠薬はやめられなくなりませんか?
A9 かつて使用されていたバルビツーツ酸系の睡眠薬には、「依存性が強くてなかなかやめられなくなる」といった問題点がありました。しかし、現在使用されているベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系のお薬は、長期間続けて飲み続けても、飲まないといられなくなるような習慣性はなく、安全に使用できます。もちろん、いくら安全といっても、薬である以上、勝手にやめたり量を多く飲んだりすることは禁物です。あくまでも、医師の指示にしたがって服用しましょう。
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Q10 睡眠薬を飲むとボケませんか?
A10 「睡眠薬を服用するとボケる」というのは誤った認識です。睡眠薬の影響が翌朝まで残って、ボーっとしてしまうことがあるかもしれませんが、これは、いわゆる睡眠薬の「持ち越し効果」、あるいはアルコールと併用したことによって起きる「一時的な記憶障害」であり、「頭がボケる」こととは全然意味がちがいます。
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Q11 癖になって、だんだん量を増やさないときかなくなることはありませんか?
A11 現在使用されているベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系のお薬は、長期間続けて飲み続けても、効かなくなることはありません。
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Q12 睡眠薬をじょうずにやめるためのコツは?
A12 1ヶ月ほどして、眠れる自身がついてきたら、医師の指導のもとでお薬の減量を検討します。主に超短時間作用型や短時間作用型の服薬では、漸減療法を行います。それは4分の3、2分の1、4分の1という具合に徐々に減量していく方法です。また、漸減療法でうまく行かなかった場合や中間作用型、長時間作用型のお薬の服薬していた場合は、週に1日飲まない日を作るところからはじめ、徐々に服薬しない日を増やしていく隔日療法があります。
いずれにしても、あせらずにお薬がなくても眠れる自信を持てるようにコントロールしていくことが大切です。
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Q13 睡眠薬にはどんな副作用がありますか?
A13 ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には次のような副作用があります。
持ち越し効果 睡眠薬の作用が翌朝以降も持続してしまう現象。午前中の眠気、ふらつき、脱力、頭重感、倦怠感などを伴うことがある。
記憶障害 医師の注意を守らずに睡眠薬を多量に飲んだり、アルコールを併用したりすると、軽い記憶障害がみられることがあります。ただし、睡眠薬が体から排泄されたあとは、記憶は正常に戻ります。
筋弛緩作用 睡眠薬には、多かれ少なかれ筋肉を弛緩させる作用があります。高齢者ほどこの作用が強く影響するため注意が必要です。立ち上がったときに力が入らず、転んで骨折してしまうこともあるので注意が必要です。最近は筋弛緩作用の少ない薬剤も開発されています。
奇異反応 ベンゾジアゼピン系のお薬では、ごく稀ですが、上機嫌で抑制を欠いた行動をとったりする奇異反応がみられることがあります。
最近では、これらの副作用をより軽減し、自然な睡眠を誘発する睡眠薬として非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が開発されています。上記のような副作用が思い当たる場合は遠慮なく医師に相談しましょう。不眠の改善状態や副作用の症状に応じて、薬の量や種類の変更を検討してもらうことができます。
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