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ひとくちに不眠症といっても、不眠症が続いている期間や症状によってさまざまなタイプがあります。適切な治療を受けるためには、まず自分自身の不眠がどんなタイプなのか、どんな原因によって起きているのかを知ることが大切です。不眠症のタイプを整理したうえで、不眠を引き起こす原因別にその対策をまとめてみたいと思います。
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不眠症は、眠れない状態がどのくらい続いているかによって、(1)一過性不眠(持続期間:数日間)、(2)短期不眠(持続期間:1〜3週間)、(3)長期不眠(持続期間:1ヵ月以上)に分けられます。一過性不眠は、不安や痛みなどの急性のストレスによって生じるもので、それらを取り除けば治りますので特別な治療は必要ないタイプです。一方、仕事や家庭生活上のストレスなどによって生じる短期不眠は、ストレスが時間の経過とともに解消されればもとどおり眠れるようになります。ただし、短期不眠を十分に治療しないで放っておくと、不眠が慢性化する危険があります。
長期不眠になると生活習慣の改善だけではなかなか治りませんので、短期不眠の段階で徹底的に治療することがとても大切です。
眠れない症状別では、(1)床に入ってもなかなか寝つけない入眠困難、(2)夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、(3)朝、やたらに早く目が覚めてしまう早朝覚醒、(4)熟睡したという満足感がない熟眠困難、などがあります。
不眠症を原因別に分類すると、悪い生活習慣による不眠、いわゆる不眠症、精神的な病気による不眠、身体的な病気による不眠、むずむず脚症候群による不眠などに分けられます。

不眠を引き起こす悪い生活習慣として、睡眠時間が不規則、週2回以上の長い昼寝、早くから寝床に入る、などが挙げられます。また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインやタバコに含まれるニコチンには交感神経を刺激する作用があるので、これらの嗜好品も快眠の妨げになります。アルコールは、短期間であれば寝つきをよくしますが、長期間飲み続けると眠りが浅くなったり夜中に目が覚めやすくなるうえ、だんだん少量のアルコールでは眠れなくなって量が増え、アルコール依存症になる危険もあります。
生活習慣の改善が基本になりますが、それでも不眠が改善しない場合は医師の診察を受け、睡眠薬による治療を受ける必要があります。
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緊張、不安、痛みなどのストレスを感じると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。こうした一過性の不眠の場合には、ストレスを軽減したり、睡眠のしくみを理解して生活習慣を改善すれば不眠は解消します。ところが、「今夜こそ眠るぞ」などと眠りにこだわりすぎると、神経症的な反応が生じて慢性の不眠症に陥ることがあり、睡眠薬による治療が必要になります。なかには、睡眠薬に対して過剰な恐怖感を抱き、治療がますます難しくなる人もいます。最近の睡眠薬は安全性が高いので、こうした誤った思い込みを改め、前向きな気持ちで治療に臨みましょう(図1)。最近は、不眠治療のための商品が市場に多く出回っていますが、市販の睡眠薬や電気治療器といった代替療法に頼り過ぎず、不眠が1週間以上続く場合は早めに受診することをお勧めします。 |
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不眠を引き起こす精神的な病気の代表はうつ病です。これまでに、うつ病の約9割が不眠を合併していること、逆に不眠が続くとうつ病になりやすいこと、うつ病患者の不眠では早朝覚醒が多くみられること、などがわかっています。憂うつ感、食欲低下、意欲低下、早朝覚醒型の不眠、などの心当たりがあればうつ病を疑ってみる必要があります。このような場合は、早めに受診して抗うつ薬や睡眠薬による適切な治療を受けることが大切です。
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前立腺肥大症、気管支喘息、胃潰瘍、リウマチ、腰痛症、アトピー性皮膚炎、更年期障害などの病気でも不眠がよくみられます。痛みやかゆみのために寝つけなかったり、前立腺肥大症では夜間に何度もトイレに起きてしまいます。
また、病気の治療に使用している薬自体が不眠をひきおこす可能性があることも覚えておきましょう(図2)。不眠の原因となっている病気の治療が基本ですが、不眠が病気を悪化させることも多いので、睡眠薬を用いるなどして積極的に不眠を治療することが望ましいと言えます。
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ふとんに入って眠りかけたころに、下肢のあたりに虫がはうような感じ、不快感、かゆみなどで眠りが妨げられる病気を“むずむず脚症候群”といいます。下肢を動かせば症状はおさまりますが、寝ようとするとまた異常感が出てきます。慢性腎不全や鉄欠乏性貧血などの病気がある場合に起こりやすいとされています。図3に挙げてある病気があって、日中の強い眠気や夜間の中途覚醒時に下肢のピクツキを感じる場合は、とくに専門医にみてもらうことをお勧めします。
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「眠れないな」と感じたとき、自分自身でもある程度その原因を探ることができます(図4)。原因が明らかになれば、それぞれに応じて前に述べたような対策を行うことになります(図5)。生活習慣の改善が基本であることは言うまでもありませんが、改善がみられない場合は、不眠が慢性化しないうちに早めに受診して適切な対処を行うことが大切です。 |
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