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不眠は生活習慣病やうつ病など、さまざまな原因によって引き起こされ、一方では不眠がうつ病や生活習慣病を増悪させることが知られています。不眠症の治療は原因となる身体疾患や精神疾患が存在する場合は、まずそれらの治療を行うことが大切です。不眠治療が、うつ病の予防や生活習慣病の改善につながるものと考えられています。
では、私たち日本人は眠れないとき、どのような対処をしているのでしょうか。世界10ヵ国で実施された睡眠調査の中から興味深いデータをご紹介しましょう。各国における不眠解消対策を比較したところ、アルコールに頼るという回答は日本が最も多い30%で、睡眠薬を使用すると答えた人は10カ国のうち下から2番目の15%でした。また、病院に行く人はわずか8%と、最も低い数値を示しています(図1)。この結果から、日本人は不眠で病院を受診することが少なく、睡眠薬を飲まずに寝酒でごまかしている人が非常に多いという現実をうかがい知ることができます。
睡眠薬はよく、依存性がある、飲み始めると薬の量がどんどん増えていく、認知症(痴呆)になりやすいなど、怖い薬として誤解されることが多いようです。しかし、現在使用されている睡眠薬は依存性や耐性はほとんどなく、医師の指示を守って規則正しく服用すれば、安心して使用頂ける薬です。皆さんには、不眠への対処として睡眠薬はアルコールよりもはるかに安全かつ有用であることをぜひご理解いただきたいと思います(表1)。
不眠はいわゆる寝付きが悪い入眠困難、途中で何度も目が覚める中途覚醒、朝早く目が覚める早朝覚醒、長く眠っているわりに熟眠感の得られない熟眠障害と、大きく4つのタイプに分類されます。自分の不眠がいずれのタイプかを見極めることが大切で、それぞれのタイプに応じて睡眠薬の使い方も異なってきます。現在、わが国では数多くの睡眠薬が使用されており、患者さんの不眠のタイプや診断名、年齢、全身状態や生活状況によって使い分けられています。
睡眠薬を服用する際の注意としては、アルコールと一緒に飲まないこと、飲んだら30分以内にベッドに入ること、常用量を守り自分勝手に増量しないことが大切です。不眠が解消すると勝手に服用を中止してしまう方もおられますが、睡眠薬は飲み始めよりも中止するときの方が慎重な対応が求められます。睡眠薬の減量や中止は眠ることへの自信がついてから徐々に進めなければなりません。独自の判断で行わず、医師とよく相談して決めるようにしましょう。
また、当然のことながら、睡眠薬と同時に生活習慣も大切です。毎日、規則正しい生活をしながら睡眠薬を服用することで、より質の高い睡眠を得ることができるようになります。
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